iPhoneテザリングの設定方法と使い方を徹底解説

外出先でパソコンやタブレットをインターネットに接続したいのに、Wi-Fiが見つからない。そんな経験をされた方は多いのではないでしょうか。実は、お手元のiPhoneがあれば、モバイルルーターを持ち歩かなくても、すぐにインターネット環境を作ることができます。iPhoneの「テザリング」機能を使えば、iPhoneのモバイルデータ通信を他のデバイスと共有し、どこでもノートパソコンやゲーム機をネットに繋げられるのです。
個人的な経験では、出張や旅行の際にテザリングを活用する場面がとても多く、正しい設定方法を知っているだけで、急なオンライン会議やメール対応にも慌てずに済むようになりました。ただし、接続方法によって速度やバッテリー消費が大きく異なるため、状況に応じた使い分けが重要です。
この記事では、Wi-Fi・Bluetooth・USBの3つのテザリング方法を、初めての方でも迷わないよう丁寧に解説していきます。
この記事で学べること
- Wi-Fi・Bluetooth・USBの3方式それぞれの設定手順と最適な使い分け方
- Wi-Fiテザリングは最大5台同時接続が可能だが、バッテリー消費が最も大きい
- テザリングが繋がらないときに試すべき7つのトラブルシューティング手順
- 大手キャリア別のテザリングオプション加入状況と料金の違い
- パスワード管理やセキュリティ対策で安全にテザリングを使う方法
そもそもiPhoneのテザリングとは
テザリングとは、iPhoneが受信しているモバイルデータ通信(4Gや5G回線)を、他のデバイスと共有する機能のことです。iPhoneでは「インターネット共有」という名称で設定画面に表示されています。
簡単に言えば、iPhoneをモバイルWi-Fiルーターの代わりにする機能です。iPhoneが「親機」となり、接続するパソコンやタブレットが「子機」という関係になります。
テザリングを使う場面としては、以下のようなシーンが代表的です。
カフェや新幹線など、フリーWi-Fiが不安定な場所での作業。出張先のホテルでパソコンを使いたいとき。タブレットでオンライン動画を視聴したいとき。緊急のオンライン会議に参加する必要があるとき。
ポケットWi-Fiを別途契約する必要がないため、追加の荷物なしでインターネット環境を構築できる点が最大の利点です。
3つのテザリング方式の特徴と比較

iPhoneのテザリングには、Wi-Fi・Bluetooth・USBの3つの接続方法があります。それぞれに明確な長所と短所があるため、利用シーンに合わせて選ぶことが大切です。
テザリング方式別の利用割合(一般的な傾向)
Wi-Fiテザリングの特徴
最も多くの方が利用しているのがWi-Fiテザリングです。通信速度が3方式の中で最も速く、最大5台のデバイスを同時に接続できます。ワイヤレスで接続できるため、ケーブルを持ち歩く必要もありません。
ただし、バッテリー消費が最も大きいという欠点があります。経験上、Wi-Fiテザリングを1時間ほど使い続けると、iPhoneのバッテリーが15〜20%程度減少する印象です。長時間利用する場合は、モバイルバッテリーの準備をおすすめします。
Bluetoothテザリングの特徴
Bluetoothテザリングの最大の利点は、バッテリー消費が少ないことです。Wi-Fiと比較すると消費電力がかなり抑えられるため、充電環境が確保できない外出先では重宝します。
一方で、通信速度はWi-Fiに比べて遅く、同時接続台数も限られます。メールの送受信やテキストベースのWebサイト閲覧であれば問題ありませんが、動画視聴や大容量ファイルのダウンロードには不向きです。
USBテザリングの特徴
USBテザリングは、LightningケーブルやUSB-Cケーブルでパソコンと直接接続する方法です。有線接続のため通信が安定しており、接続中にiPhoneを充電できるという大きなメリットがあります。
デメリットとしては、ケーブルが必要なこと、そしてパソコンとの1対1接続に限定されることが挙げられます。
各方式のおすすめシーン
- Wi-Fi:複数人・複数台で高速利用したいとき
- Bluetooth:バッテリーを節約しつつ軽い作業をするとき
- USB:安定した通信と充電を同時に行いたいとき
避けたほうがよいシーン
- Wi-Fi:バッテリー残量が少ないとき
- Bluetooth:動画視聴や大容量通信が必要なとき
- USB:ケーブルがない・複数台接続したいとき
テザリングを始める前の事前確認

設定手順に入る前に、いくつか確認しておくべきポイントがあります。ここを見落とすと「設定したのに繋がらない」というトラブルの原因になりがちです。
テザリング開始前の確認リスト
キャリア別テザリングオプションの確認
キャリアによってはテザリングに別途申し込みが必要な場合があります。事前に確認しておきましょう。
docomo(ドコモ)は、多くのプランでテザリングが無料で利用可能です。「ahamo」でも追加申し込みなしで使えます。
au(KDDI)は、プランによってテザリングオプション(月額550円)への加入が必要です。「povo」では追加料金なしで利用できます。
SoftBank(ソフトバンク)も、プランによってテザリングオプション(月額550円)が必要になります。「Y!mobile」では多くのプランで無料です。
格安SIM(MVNO)は、mineoやIIJmioなど多くの格安SIMでは追加料金なしでテザリングが利用可能です。ただし、一部のプランでは対応していない場合もあるため、契約内容を確認してください。
Wi-Fiテザリングの設定手順

最も利用頻度の高いWi-Fiテザリングの設定方法を、iPhone側(親機)と接続する側(子機)に分けて解説します。
iPhone側(親機)の設定
設定アプリを開く
ホーム画面から「設定」アプリをタップします
インターネット共有を選択
「インターネット共有」をタップします
接続を許可する
「ほかの人の接続を許可」をオンにします
「ほかの人の接続を許可」をオンにすると、画面にWi-Fiパスワードが表示されます。このパスワードはiPhoneが自動的にランダム生成したもので、そのまま使うこともできますし、自分で覚えやすいパスワードに変更することも可能です。
テザリングが有効になると、iPhoneの画面上部(時計の周辺)が緑色に変わります。これが接続中であることを示すインジケーターです。
子機(パソコン・タブレット)側の接続方法
子機側の操作は、通常のWi-Fi接続と同じです。
Windowsパソコンの場合は、タスクバーのWi-Fiアイコンをクリックし、ネットワーク一覧からiPhoneの名前を選択します。表示されたパスワード入力欄に、iPhone側で確認したパスワードを入力すれば接続完了です。
Macの場合は、メニューバーのWi-FiアイコンからiPhoneの名前を選択し、同様にパスワードを入力します。同じApple IDでサインインしている場合は、パスワード入力なしで自動接続される場合もあります。
iPadやAndroidタブレットの場合も、Wi-Fi設定画面からiPhoneの名前を選び、パスワードを入力するだけです。
Bluetoothテザリングの設定手順
Bluetoothテザリングは、Wi-Fiテザリングよりも設定手順がやや多くなりますが、バッテリーを節約したい場面では非常に有効です。
iPhone側の準備
まず、「設定」→「Bluetooth」をオンにします。次に「設定」→「インターネット共有」→「ほかの人の接続を許可」をオンにします。
ここまではWi-Fiテザリングと同じ手順です。
子機側のペアリングと接続
Bluetoothテザリングでは、最初に「ペアリング」という作業が必要です。これは、iPhoneと子機をBluetooth経由で認識させる手続きです。
Windowsパソコンの場合は、「設定」→「Bluetoothとデバイス」→「デバイスの追加」からiPhoneを選択します。両方の画面にペアリングコードが表示されるので、一致していることを確認して「ペアリング」をタップします。
ペアリングが完了したら、Bluetoothデバイスの一覧からiPhoneを選び、「パーソナルエリアネットワーク(PAN)に参加」を選択することでインターネット接続が開始されます。
Macの場合は、「システム設定」→「Bluetooth」からiPhoneとペアリングした後、メニューバーのBluetoothアイコンからiPhoneを選び、「ネットワークに接続」を選択します。
一度ペアリングが完了すれば、次回以降は自動的に認識されるため、初回の手間だけで済みます。
USBテザリングの設定手順
USBテザリングは、最もシンプルで安定した接続方法です。
必要なもの
iPhoneとパソコンを接続するケーブルが必要です。iPhone 15以降のモデルはUSB-Cケーブル、iPhone 14以前のモデルはLightningケーブルを使用します。
接続手順
ケーブルでiPhoneとパソコンを接続します。iPhone側で「このコンピュータを信頼しますか?」というメッセージが表示されたら、「信頼」をタップしてください。
その後、「設定」→「インターネット共有」→「ほかの人の接続を許可」をオンにすれば、パソコン側で自動的にインターネット接続が認識されます。
USBテザリングの最大のメリットは、接続中にiPhoneが充電されることです。長時間の作業でもバッテリー切れの心配がなく、通信も有線のため非常に安定しています。
Windowsパソコンの場合、最新のiTunesがインストールされている必要があります。iTunesをインストールしていない場合は、Apple公式サイトまたはMicrosoft Storeからダウンロードしてください。
テザリングができないときのトラブルシューティング
「設定通りにやったのに繋がらない」というケースは少なくありません。これまでの経験から、以下の手順を順番に試すことで、ほとんどの問題が解決できています。
基本的な確認事項
1. モバイルデータ通信がオンになっているか確認する
「設定」→「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」がオンになっていることを確認してください。機内モードが有効になっている場合も、テザリングは利用できません。
2. テザリングオプションに加入しているか確認する
先述の通り、キャリアによっては別途オプション加入が必要です。「インターネット共有」の項目自体が表示されない場合は、キャリアに問い合わせてみてください。
3. iPhoneを再起動する
多くの接続トラブルは、iPhoneの再起動で解決します。電源を完全にオフにし、10秒ほど待ってから再度電源を入れてください。
Wi-Fiテザリング固有のトラブル
4. Wi-Fiパスワードを再確認する
パスワードの入力ミスは最も多いトラブル原因の一つです。「設定」→「インターネット共有」でパスワードを確認し、大文字・小文字を含めて正確に入力してください。
5. ネットワーク設定をリセットする
「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」を実行します。この操作を行うと、保存済みのWi-Fiパスワードがすべて消去されるため注意が必要です。
6. 子機側のWi-Fi設定を削除して再接続する
子機側で一度iPhoneのネットワークを「削除」または「忘れる」操作を行い、改めて接続し直すことで解決する場合があります。
7. iOSを最新バージョンにアップデートする
古いiOSバージョンでは、テザリング関連の不具合が報告されていることがあります。「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」から最新版に更新してみてください。
テザリング利用時のセキュリティ対策
テザリングは便利な機能ですが、セキュリティへの配慮も欠かせません。特にWi-Fiテザリングは、周囲の人にiPhoneの名前が表示されるため、いくつかの対策を講じておくことをおすすめします。
パスワードの管理と変更
iPhoneが自動生成するパスワードはランダムな英数字で構成されており、セキュリティ強度としては十分です。ただし、覚えやすさを重視して短いパスワードに変更する方もいますが、最低でも8文字以上、英数字を組み合わせたパスワードを設定してください。
パスワードを定期的に変更する習慣をつけることも重要です。特に、不特定多数がいる場所(カフェ、空港、コワーキングスペースなど)で使用した後は、パスワードを変更しておくと安心です。
デバイス名の変更
デフォルトでは「〇〇のiPhone」という形で本名が表示されます。「設定」→「一般」→「情報」→「名前」から、個人を特定されにくい名前に変更しておきましょう。
使用後はテザリングをオフにする
テザリングを使い終わったら、「ほかの人の接続を許可」を必ずオフにしてください。オンのまま放置すると、知らない間に接続されるリスクがあるだけでなく、バッテリーの無駄な消費にもつながります。
テザリングを快適に使うための実践的なコツ
日常的にテザリングを活用している中で気づいた、快適に使うためのポイントをいくつかご紹介します。
データ通信量を節約する方法
テザリングではiPhoneのモバイルデータ通信を使用するため、データ通信量の管理が重要です。
子機側のパソコンでは、OSのアップデートやクラウド同期が自動的に行われることがあります。Windowsの場合は「従量制課金接続」の設定をオンにすることで、大容量の自動ダウンロードを抑制できます。Macの場合も、「システム設定」→「ネットワーク」から同様の設定が可能です。
動画の画質を下げる、画像の多いサイトの閲覧を控えるなど、意識的にデータ使用量を抑えることで、月間の通信量を大幅に節約できます。
バッテリーを長持ちさせる工夫
Wi-Fiテザリングを使う場合、iPhoneの画面の明るさを下げる、不要なアプリのバックグラウンド更新をオフにするなどの対策が有効です。
長時間利用する場合は、USBテザリングに切り替えるか、モバイルバッテリーを接続しながら使うことをおすすめします。
5G回線でのテザリング
5G対応のiPhone(iPhone 12以降)を5Gエリアで使用すると、テザリングでも非常に高速な通信が可能です。ただし、5G通信は4Gと比較してバッテリー消費が大きくなる傾向があります。
バッテリーを優先したい場合は、「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「音声通話とデータ」から「4G」に固定することもひとつの方法です。
インターネットを活用した作業効率化という点では、ネットプリントのようなオンラインサービスもテザリング環境下で便利に使えます。外出先からでもコンビニで印刷できるため、テザリングとの相性が良い使い方のひとつです。
テザリングとモバイルルーターの比較
「テザリングがあればモバイルルーターは不要では?」という疑問を持つ方も多いでしょう。それぞれの特徴を整理してみます。
テザリング vs モバイルルーター比較
週に数回程度、短時間のインターネット接続が必要な方であれば、テザリングで十分対応できます。一方、毎日長時間の作業が必要で、複数台を常時接続する場合は、モバイルルーターの方が快適かもしれません。
個人的には、テザリングをメインで使いつつ、長期出張の際だけレンタルWi-Fiを併用するという使い分けが、コストパフォーマンスの面で最もバランスが良いと感じています。
パソコンでの作業中にGoogleカラー選択ツールのようなブラウザベースのツールを使う場合も、テザリング環境下で問題なく動作します。軽量なWebツールはテザリングとの相性が良く、データ通信量もほとんど消費しません。
よくある質問
テザリング中にiPhoneで電話はできますか
はい、テザリング中でも通常通り電話の発着信が可能です。ただし、通話中はデータ通信が一時的に中断される場合があります(キャリアや回線状況による)。VoLTEに対応している環境であれば、通話とデータ通信を同時に利用できます。
テザリングでどのくらいのデータ通信量を使いますか
使い方によって大きく異なります。目安として、Webサイトの閲覧で1時間あたり約50〜100MB、動画視聴(標準画質)で1時間あたり約500MB〜1GB程度です。メールやテキストベースの作業であれば、1日数時間使用しても数百MB程度に収まることが多いです。月間のデータ容量に余裕がない場合は、動画視聴を控えるなどの工夫が必要です。
テザリングのパスワードを忘れた場合はどうすればよいですか
「設定」→「インターネット共有」を開くと、現在設定されているWi-Fiパスワードが画面に表示されます。iPhoneの画面ロックを解除できれば、いつでもパスワードを確認・変更できるため、忘れても問題ありません。
テザリングに接続台数の上限はありますか
Wi-Fiテザリングの場合、最大5台まで同時接続が可能です。ただし、接続台数が増えるほど1台あたりの通信速度は低下し、iPhoneのバッテリー消費も大きくなります。快適に利用するなら、同時接続は2〜3台程度に抑えることをおすすめします。Bluetoothテザリングは基本的に1台のみ、USBテザリングも1台のみの接続となります。
海外でもiPhoneのテザリングは使えますか
海外ローミング中でもテザリングは利用可能ですが、海外データ通信の料金が非常に高額になる可能性があります。渡航前にキャリアの海外パケット定額プランに加入するか、現地のプリペイドSIMを購入して利用することを強くおすすめします。なお、キャリアやプランによっては海外でのテザリングが制限されている場合もあるため、事前に確認してください。
まとめ
iPhoneのテザリング機能は、外出先でのインターネット接続を手軽に実現する非常に便利な機能です。
Wi-Fi・Bluetooth・USBの3つの方式にはそれぞれ特徴があり、速度重視ならWi-Fi、バッテリー節約ならBluetooth、安定性と充電を両立するならUSBという使い分けがポイントです。
設定自体は「設定」→「インターネット共有」→「ほかの人の接続を許可」をオンにするだけのシンプルな操作です。繋がらない場合は、キャリアのオプション確認、デバイスの再起動、ネットワーク設定のリセットを順番に試してみてください。
セキュリティ面では、パスワードの定期変更とデバイス名の変更、使用後のテザリングオフを習慣にすることで、安全に利用できます。
まずは自宅で一度テザリングの設定を試してみて、操作に慣れておくことをおすすめします。いざというときにスムーズに使えるよう、事前の準備が大切です。